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2010年夏、単身エジプトへ。

灼熱だった。壮大なアブ・シンベル神殿。暑苦しい現地の人々。国鉄の駅員が運賃を倍以上ごまかしてきたこと。おかしいと思って別の駅員から買うと案の定だったこと。アスワンの遺跡群。意外とうまかったエジプト料理。あまりに巨大なカルナック神殿の列柱。そのチケット売りのおっさんがおつりをごまかしてきたこと。それを指摘すると「Give me 5 ponds.」とシレッと言ってきたこと。そのさも当然という横柄な態度に、切れて怒鳴りつけたこと。振り返ると、後ろには「善良さ」を絵に描いたような日本人の団体ツアー客がいて、どん引きしていたこと。 夜のライトアップがハマり過ぎているルクソール神殿。 現実離れした黒砂漠と白砂漠の光景。宇宙につつまれているかと錯覚するような、豪華な星空。想像以上に巨大だったギザのピラミッド。40℃を超す炎天下。その中を徒歩で進む。しつこいラクダ引き。しつこい客引き。腕を無理矢理掴まれ、それを力づくで引き離し、お互いに本気でどなり合ったこと(日本語vsアラビア語で)。日本在住20年のエジプト人のおっさんとバスを待ちながら日本語で3時間話し込んだこと。世界中を旅行している若者達。「イスラエルの方が10倍マシ」と1日でカイロ嫌いになった若者もいた。話かけてくるのがナンパか客引きかの二択しかないことにうんざりしている女性のバックパッカーもいた。断食月(ラマダン)で、日中いらつくエジプト人。通りを歩いているだけで、「モンキー!」と馬鹿にしてくるエジプト人。足を踏みつけようと脅すエジプト人。夕方になると見ず知らずの旅人にもご飯を分けてくれる優しいエジプト人(ラマダン中の習慣で、富める人が無償で食料を提供する)。その結果、分ける食料が足りなくなり、暴動を起こすエジプト人の群衆(20〜30人)。さすがに遠慮して食べ物を渡そうとすると、「旅人には優しくするものだ。お前達は遠慮しないで食え。」「どうだうまいか?」「エジプトへようこそ!」と笑顔で話してくれるエジプト人。その割に、配給側には抗議を繰り返し、椅子で殴ろうとするエジプト人。殴り返そうとする配給側のエジプト人。教えてくれる道がことごとく間違っているエジプト人。荘厳なイスラム教の巨大モスク。静謐。

ああ、この世界は美しく、醜く、悪意にも、善意にも満ちていて、濃密だ。

エジプトを嫌な思いをひとつも、ひとっつもしないで楽しく回りたいのなら、是非団体ツアーで回ってほしい。しかし、時に感情むき出しにして、日常からかけ離れた世界で、多少の摩擦を厭わずに世界と向き合いたいのなら、是非1人で行ってみてほしい。どんな社会科見学より、きっと役に立つ。疲れるけど、楽しい。疲れるけどね。本気で。